素材オタクのデザイナーが作った珠玉のトレンチコート

よく「人は見た目が9割」なんてことを言われますが、僕自身もある程度その意見には納得できます。

もちろん、話をすれば内面の魅力や、ふとした仕草にも目が行くようになりますが、初対面で人を判断する大きな材料となるのは見た目。とはいえ「見た目」といっても、決してルックスやスタイルだけではないでしょう。

僕の場合であれば、その人が身につけている服やアクセサリー、ヘアスタイルなんかも随分と念入りにチェックしてしまいます。(女性であればメイクやネイルなんかも入ってきそうですね)

だからこそ、秋冬の装いで最も「外面」にあたるアウターは”見た目”において重要なアイテム。僕自身、ニットやシャツは後回しにしても、毎年必ず新たに一着購入するようにしています。

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MARKAWAREのトレンチコート

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そして今年の冬、僕が購入し、最も着用した一着がお気に入りのブランドMARKAWARE(マーカウェア)の「Organic Wool Survival Cloth Trench Coat」。

実店舗の「PARKING」がよく訪れる中目黒にあることもあり、シーズン毎に度々チェックしにいくブランドの一つ。素材・生産背景を徹底的に追求したアイテムは多くの服好きに愛され、国内屈指のデザイナーズブランド。

昨年までMARKAWAREではミニマリストコートというアイテムが定番リリースされていたのですが、それに代わり新たにリリースされたのが、こちらのトレンチコート。

ルックを見た時から「この一着は絶対購入しよう」と思っており、なんとかPARKING公式オンラインで、ラスト一着を購入することができました。

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カラーは3色で、カーキ・ダークブラウン・ブラックの展開。今回、僕はダークブラウンを購入しました。

画像では100%伝わるか分かりませんが、この色味が非常にたまらないのですよね…ブラウンですが、彩度が低く、光の加減によってはグレーっぽく見える独特の色味。ちょっと赤みが少なく、パープルっぽい感じといったら伝わるでしょうか。

一応名称としてはトレンチコートとなっていますが、エポレットやアンブレラヨークなどは省略されており、かなりミニマルな作りになっています。

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大きめ襟は、クラシカルな佇まいで大人の男性が羽織るのにぴったり。ヴィンテージの古着屋に置いてあるコートのような雰囲気ですね。

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フロントの仕立てはダブルブレスト。腰元までは緩やかに絞り、そこから裾にむかってふわっと広がるAラインのシルエット。

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肩周りはラグランスリーブ。首の付け根から脇に向かって切り替えが入ることで、可動域が広がり動きやすくなる、ニットやスウェットなどでよく用いられる袖付けですね。

袖の構造も一枚袖と呼ばれる、脇下のみで縫い合わせる製法をとっており、直線的なアームに。後述しますが、オチ感のある生地との相性は抜群で、美しいシルエットを形成します。

素材オタクのデザイナーが作った「サバイバルクロス」

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このコート、最大の特徴は使用されている「生地」。綾が立ち、マットな質感の生地は、どこかヴィンテージクロスのような雰囲気を醸し出しつつも、美しいオチ感も同時に併せ持っており、なんとも言い難い不思議な魅力を持っています。

一般的に、服の生地は1本糸の「単糸」、単糸を2本撚った「双糸」を用いることが多いのですが、こちらのコートではなんと3本の糸を撚った「三子撚り」を織ったオリジナルのウールギャバジン「SURVIVAL CLOTH(サバイバルクロス)」を使用。

とにかく打ち込みがすごく、生地の”ぎゅっと”詰まっている感じがたまりません。直感でこれは良いものであると脳に訴えかけてきますね。

用いられているウール糸自体も、デザイナーの石川氏自身が原産地である南米アルゼンチンの羊牧場を実際に訪れ、直接視察した上で仕入れてきたそう。ここまでしているデザイナーって、他にいるんですかね…?熱量が凄まじい。

月に数回、MARKAWARE公式インスタグラムで配信しているIGTVでは製作のウラ話や素材にまつわるマニアックなお話を聞けて、勉強になります。服好きの方はぜひ、一度チェックしてみてください。

バサッと羽織るだけで”サマ”になる

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実際に着用するとこんな感じ。身長175cmでサイズ2を着用しています。大ぶりなコートなのでサイズ1でも十分で着用できたかと思いますが、この生地のたっぷり感を活かしたいのでやや大きめを選択。結果的にに正解でした。

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フロントのボタン閉めると少しきっちりした印象に。より大ぶりなラペルが強調されます。

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生地はしっかりと厚みがありますが、たっぷり生地を使った身頃と、オチ感のおかげでバサッと軽やかに羽織ることができます。

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ちょうど膝にかかるくらいの丈感。後ろの部分にもスリットが入っているので、歩く度に生地が揺れる感じが美しい。

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インナーに何を合わせてもサマになるコート。コートの下には薄手のニットにジャケットを合わせているのですが、まだまだ余裕があります。

素材感的には秋〜春まで幅広くいけそうな万能さがあり、中にニットやインナーダウンなんかを着込めば、東京の冬には十分耐えられる保温性を持っています。

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上質な素材使い、シルエット、色味……どれも自分好みで、とにかく今シーズンはこのコートを着倒しました。今シーズンのみならず、来シーズンもその先も着たいと思えるコートに出会うことができて、嬉しい限り。沢山服を買っていますが、意外とバチッとはまるモノはなかなかないですからね。

2020AWのアイテムなので、皆さんがこれから手に入れるのはちょっと難しいですが(二次流通なら探せばあるかも)MARKAWAREが気になった方は、そろそろ今年の春夏のアイテムも店頭に並び始める頃かとおもますので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

PARKING (MARKAWARE)

WAYFARER COAT II – BIODYNAMIE GIZA x SILK TYPE WRITER 【 MARKAWARE / マーカウェア 】A21A-01CO02C
MARKAWARE(マーカウェア)/PLEAT FRONT PEGTOP

関連:糸作りからはじめる服づくり

単なるアウトプットとして目に見えるデザインだけでなく、テキスタイルの生産背景であったり、細部に宿るデザイナーの意図であったりをより意識することで、一着一着を愛せるようになる気がします。

糸づくりから始める究極の服作り。FilMelangeのブルゾンを購入しました

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