都市の生活に森林のエッセンスを。三重県大台町が生んだ「Odai products」のリードディフューザー
目で感じる視覚、耳で感じる聴覚、人間はこの五感を常に張り巡らせながら環境に適応しようとする生き物。
この五感のなかで、とりわけ僕が”気持ち”をコントロールする上で大切だと感じているのが“嗅覚”、もっといえば”香り”です。実際、香りの分子を取り込む鼻の神経系は、脳にダイレクトで刺激を与えるそうで、香りの効果は絶大。
アロマの香りを嗅げば、自然と力がほどよく抜けてリラックスできますし、逆に寝起きにコーヒーの香りを嗅げば目が覚める、夕時に料理の良い香りがすればお腹が空いてくる…皆さんも経験があるのではないでしょうか。
決して目に見えることもない、触ることもできないですが、人の気持ちに強く働きかけるものだからこそ、日々の暮らしをより良く過ごす上で無視できない存在。
これまで自分自身に纏う“香水”はいくつか試してきたのですが「そういえばまだ空間の香りには目を向けていなかったな」と最近気が付き、今度は部屋に置くディフューザー探していると、最近良くチェックしているメディア『Paraph』で非常に良さそうなアイテムが紹介されていたので購入してみることに。
自然と共に暮す三重県 大台町から
今回購入したのは、Odai productsのアイテム。このOdaiとは、土地の9割以上を森が占めている日本屈指の自然豊かな町、三重県の南西部、多気郡“大台町(おおだいちょう)”から。
日本三大渓谷の一つである「大杉谷」を中心に、東西にわたって流れる「宮川」や日本百名滝にも選ばれている「七ッ釜滝」など豊かな自然に囲まれている一帯は、奈良県と三重県にまたがる「大台ヶ原・大峯山・大杉谷」としてユネスコエコパークの認定を受けていることでも知られます。
生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)は、生物多様性の保護を目的に、ユネスコ人間と生物圏(MAB)計画(1971年に開始した、自然及び天然資源の持続可能な利用と保護に関する科学的研究を行う政府間共同事業)の一環として1976年に開始されました。ユネスコエコパークは、豊かな生態系を有し、地域の自然資源を活用した持続可能な経済活動を進めるモデル地域です。(認定地域数:129か国714地域。うち国内は10地域。)※2020年10月現在 – 文部科学省
そんな森を管理する宮川森林組合から生まれたのが「Odai products」。”町の森林を守り、循環させていく”取り組みの一貫として、広葉樹林を利用した製品を開発し、そこで得た収益をまた次の世代の森づくりへと活かしているそう。
ちなみに公式の紹介ムービーも息を呑むほどの美しさ。
Odai productsのリードディフューザー
これまでつらつらとOdai productsについて述べてきたのですが、こうした背景を抜きにしても、とにかくサイトのデザインやプロダクトデザインが洗練されており、ついつい欲しくなるモノばかり。手元にやってきたこのパッケージもおしゃれです。
ぱかっと箱をあけると、ご丁寧に取り扱い説明書と木材の説明が。
中には木のリードと、フレグランスウォーター、そして詰替え用のビン。
リードにはクロモジの枝
通常、リードディフーザーには細い棒状のリードが刺さっていますが、Odaiのディフーザーはこのリードにも大台町の森から伐採した木材を採用しているのが特徴。クロモジとタムシバの2種類から選べるので、今回はクロモジを選んでみました。
より香りを強くしたい場合は右のスティックを利用すると良いそうです。こちらもまた、大台町の木材を利用してつくられた薄い木のスティックになっています。
表面の色も節の数も一つとして同じものはない、まさに自然由来のリードスティック。
からっと乾いていて、枝同士をぶつけると、コンっと小気味よい音が。昔は木の枝をよく拾い集めたなぁと、ちょっとだけ童心を思い出しますね。
森林のエッセンスをギュッと閉じ込めた香り
こちらはフレグランスウォーター。クロモジ、タムシバ、ヒノキ、カナクギノキと、どれも大台町で生育している樹木から抽出した芳香蒸留水に、エッセンシャルオイルをブレンドしたもの。
こちらを黒いビンから透明なビンに移して使います。ちょっとぷっくりと丸い形のビンが可愛らしい。デスクの上においても邪魔にならないくらいの程よい大きさですね。
インテリアとしても映えるデザイン性
移し替えて、リードを入れるとこんな感じ。天然の樹木から取った香りは、驚くほど自然で、人工的な嫌味が一切ない。まるで森にいるかのような爽やかな香りが部屋いっぱいにひろがります。
香りも強すぎず、程よい感じ。一日置いておくと良い具合に部屋全体が香ってくれます。
また、香りだけでなく、このシンプルな見た目もお気に入り。木のリードが非常に特徴的で、決してデザインらしいデザインはされていないのに、置いておくだけでインテリアとしても映える存在に。
ディフーザーってちょっと可愛らしい感じのデザインが多いのですが、これなら嫌味なくスタイリッシュで男性の部屋にも置きやすい。人を部屋に招いたら、まず間違いなく「それ、どこのやつ?」って聞いてもらえるはず。
新しい生活様式が広まりつつある昨今、オフィスや学校へ出向く機会は減り、仕事も勉強も自宅で行う暮らしが、今後もしばらく続いていくでしょう。
部屋の中ですーっと空気を吸い込むだけでどこか心が穏やかに。日々をなめらかに過ごしていくために、香りの力を生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。Odaiの森の香り、個人的にイチオシです。
兄弟ブランドも気になる
Photo Via : cokage
宮川森林組合ではOdai productsの他にも化粧水やヘアオイル、クリーム、石鹸など化粧品を中心とした「kokage」という別ブランドも展開中。こちらもきっと良い香りなんだろうなぁ……とちょっと気になっています。
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